精神科の診察の際、真面目に答えすぎるのはよくない。医師は揚げ足取りというか、常に「精神病だと言いがかりをつける口実」を探しているので、迂闊なことを言うとそれを理由に「病状が悪化した」などと言いがかりをつけられる。彼らは患者(というかクライアント)を通院させるための口実さえあればいいので、それを与えてしまうと向こうの思う壺になる。
いわゆる統合失調症について、どういう兆候がその症状なのか、特段の基準はない。「辻褄が合わないことを言っている」のはその理由にされるし、「変わったことを言っている」「独特なことを言っている」だけでも、病気ということにされてしまう。
たとえば俺の場合、外国にいた時にいろいろ不可解な目にあった。そういうことを医師に話すとどうなるか。普通であれば当然、それが事実かどうかの確認作業がまずなされるべきである。もし警察なら、その言動の裏を取るために捜査するだろう。しかし精神科医はそんな作業をするはずもなく、ちょっと変わったことを言っただけで「あなたは統合失調症だ」と認定する。
俺の場合は、I郷岡病院のM宅院長に「海外でこういう目にあった」と言ったら、彼は両手を上げてヒラヒラさせ「統合失調症!本人に自覚な~し!」と叫んだ。その時俺は「もし事実であるのが証明されたらどうするのか」と思ったが黙っていた。警察なら裏を取るだろうが、精神科医は「そんなことあるわけない」と思ったら精神病に認定する口実にする。
この「そんなことあるわけない」は、人によって様々だ。いろんなことを知っている医師もいれば、何にも知らない医師もいる。人によって「そんなこと」の幅はぜんぜん違う。だからその医師が理解できないことや、ちょっと不可思議なことを言うともうオシマイ。「世間の常識に照らし合わせてあるはずがないから」という理由で、精神病に認定する口実にされてしまう。
そして厄介なのは、精神科医は誰でも精神病に認定する「資格持ち」だということ。たとえ真っ当な人間であっても、正常な人間であっても、精神科医が病気だと言えばその人は精神病にされてしまう。彼らは誰のことでも精神病者に認定できる「資格」「特権」持ちなのだ。
また精神病院というのは、暴れている人を強制的に入院させる保護所の役割もあるし、世間で迫害されている人を監禁する強制収容所の側面もある。だから当然警察と結びついているので、精神科医・看護師は「自分は警察が味方についているんだ」と思っているし、警察が味方についている人間にありがちな「自分は何をしても許される」という思考をしているケースが多い。
それゆえに、自分が理解できないことや違った考えは全部間違ってるんだ、自分は全部正しいんだ、もしそういう人間がいたら入院させてしまえ、いざとなったら警察が味方してくれる・・・こういう考え方である。逆らったら入院させてしまえばいいんだ、というのが彼らの本音。
よって、精神科医と話すときには、極力何も言わない、これに限る。普通に話しても口実を探されるし、友好的に話してても口実を探されるし、うっかり変なことを言うと口実にされるし、であれば隙を見せないようにするしかない。
彼らは人間的な信頼関係を築こうなどとこれっぽっちも思っていないので、信用するだけ無駄。狭量な人間は理解できることも少ないので、余計なことは話さないほうがいい。