狐の嫁入りについて想像

「狐の嫁入り」について個人的想像。

狐が何を意味するかだが、狼と犬と狐は同じフォルムなので、同じトーテムを意味するはず。狼はオオカミという発音から、大神神社つまり大三輪神社への信仰を持ち、国津神を奉じる人たちだった。狼はベニヤミン族のシンボル。そのためか世界中で狼という動物は悪者にされ、日本では絶滅させられてしまった。
狐は「女狐」といい英語ならFoxyとかVixenというが、つまりこの人々の女性を意味する。その嫁入りが狐の嫁入りだが、狐というのは稲荷神社の眷獣である。稲荷は「稲の荷」と書くから米俵のことで、食べ物のいなり寿司はこれと同様に米を包んだ食べ物。だから稲荷神社は稲作と関連するはずだが、稲荷神社では狐にお稲荷さん(油揚げ)を捧げる。
そして稲荷神社の特徴は、鳥居が何重にも連なっていること。鳥居というのは神社を参拝する際に人が頭を下げる、神が見下ろしている場所で、これが連続するのは「頭をペコペコ下げ続けろ」ということのはず。
慣用表現に「鳶に油揚げをさらわれる」というのがあるが、狐の好物の油揚げを、鳶が空から奪おうとする。では鳶とは何かというと、広島市内に行くとわかるが、街の低い上空を鳶がたくさん飛んでいる。平和公園などは何羽もの鳶がすぐ上空をクルクル廻っているのが見える。もし広島地方で鳶がトーテム動物なら、それが狐から油揚げを奪おうとする。

つまり国津神を奉じる古層の人々が米を献上したり女性を貢いだりする際に、頭をペコペコ下げねばならず、それは鳶に象徴される人々の好物なのだ、という寓意だと思う。嫁入りというのも結局、古層の人々の女性が好きでもない男のもとに嫌々嫁がねばならない風習があり、それを村の人々が見送る風習だったのでは。
稲荷神社で狐が眷獣なのは、そういう嫌々嫁がされた村の女が狐の姿で祀られているのであり、油揚げを捧げるのは彼女たちへの供養だろう。

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